12日21時半に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。
近年、相場への影響が大きい米物価統計の中でも特に注目度の高い指標となっています。
前回4月の米CPIは前年比+3.4%、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア前年比+3.6%と、3月CPIの+3.5%、+3.8%から伸びが鈍化しました。市場予想とは一致しています。前月比では+0.3%、コア前月比+0.3%と3月の+0.4%、+0.4%からこちらも鈍化しました。市場予想は+0.4%、+0.3%となっており、前月比のみ予想を下回る伸びも、概ねは一致しています。
4月の内訳をみると、ガソリン小売価格が上昇していることもあり、エネルギーが前年比+2.6%と、3月の+2.1%に続いて高い伸びとなりました。食料品は変わらずも、外食は+4.1%と13カ月連続で伸びが鈍化しています。
食品とエネルギーを除いた財は-1.3%と、4カ月連続で前年比マイナス。マイナス幅も3月の-0.7%から-1.3%に広がりました。自動車の価格低下が目立っており、中古車は-6.9%の大幅安、新車も-0.4%と2カ月連続でマイナスです。
食品とエネルギーを除いたサービスは+5.3%と3月の+5.4%からは鈍化も、高水準となっています。住居費は+5.5%と3月の+5.7%から小幅鈍化も高水準です。住居費を除いたサービスは+5.0%と、4カ月連続で上昇。自動車保険が+22.6%と5カ月連続で20%を超える高い伸び。その影響で輸送サービスが+11.2%となっています。医療費が+2.7%と3月の+2.1%から上昇。伸びが鈍化しているのはレクリエーションサービスなどで、ここにきて賃金上昇率が低下している影響が出ています。
今回の予想は前年比+3.4%と4月と同水準、コア前年比は+3.5%と4月の+3.6%から小幅鈍化見込みです。前月比は+0.1%と前回から伸びが鈍化。コア前月比は+0.3%と4月と同水準見込みです。
この2カ月ほど上昇が目立っていたガソリン小売価格は、全米全種平均で1ガロン=3.725ドル(米エネルギー情報局調査)と4月の+3.733ドルから小幅鈍化となっています。前月比の伸びが鈍化する大きな要因に一つがこのガソリン価格の低下だと思われます。ただ、2023年は4月から5月にかけて今年以上の低下を見せていますので、前年比ではプラス圏を維持する見込みです。
クリーブランド連銀による「InflationNowcasting」では、前年比+3.29%、コア前年比+3.66%。前月比は+0.14%、コア前月比+0.29%となっています。若干乖離があるだけに、結果発表に注意です。0.1%の市場予想との乖離でも相場に動きが出るだけに、注目です。
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