来週の米国株は引き続き米長期金利にらみの相場展開となろう。11-12日に米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。結果発表及びパウエルFRB議長の記者会見は、東京時間13日未明に公表されるが、今回は「7会合連続で政策金利は据え置き」「ドットチャート(政策金利水準の分布図)は、2024年の利下げ回数が3回から2回に修正」が市場コンセンサスとなっている。3月時点では、24年、25年、26年の利下げ回数は各3回が見込まれていたことで、24年の修正によって、25年、26年の利下げ回数に変化が出るかは注目だが、25年以降の見通しはデータ次第で変更する流動的な要素が大きいことから、市場の関心はさほど高くないと考える。また、記者会見では、パウエルFRB議長が、「政策判断はデータ次第」という基本姿勢を示すと見られることから、為替市場や債券市場への影響は限定的か。経済指標に一喜一憂し長期金利が上下に動く慌ただしい地合いが続いていたが、FOMC通過によって落ち着くと見る。
一方、主要3指数は、エヌビディアの影響が色濃く出ており、NYダウの上値は重い。セールスフォースの急落など個別銘柄の要因もあるが、下値を切り上げるものの、上値抵抗線である25日移動平均線を上回ることはできていない。ただ、25日移動平均線のすぐ上には75日移動平均線も控えていることから、これら上値抵抗線を上回った際は上げ幅拡大も期待できよう。VIX指数は12台で推移しており、投資家の心理状態は良好である。FOMC通過後のNYダウの動向に注目したいところだ。
経済指標では、12日に5月消費者物価指数、週次原油在庫、FOMC結果、パウエルFRB議長記者会見、13日に週次新規失業保険申請件数、5月生産者物価指数、14日に6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。
主要企業決算は、10日にオートデスク、イエクスト、11日のゲームストップ、オラクル、12日に3Dシステムズ、オーロラ・カンナビズ、ブロードコム、13日にアドビなどが予定されている。
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