米株式市場では、株価を過去最高値に押し上げた米経済の軟着陸(ソフトランディング)期待が引き続き正当なものかどうかを見極めるため、米インフレ統計と米連邦準備理事会(FRB)の政策会合に注目が集まっている。ニューヨークで5月撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)/>
David Randall
[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米株式市場では、株価を過去最高値に押し上げた米経済の軟着陸(ソフトランディング)期待が引き続き正当なものかどうかを見極めるため、米インフレ統計と米連邦準備理事会(FRB)の政策会合に注目が集まっている。
FRBが経済成長を損ねることなくインフレを抑制できるとの観測から、S&P総合500種は年初から12%超上昇している。
ただ、最近発表された経済指標は強弱入り混じった内容となっている。5月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増加し、予想を大きく上回った。
一方、雇用統計前に発表された指標は製造業の低調を示し、第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値も速報値から下方改定された。
12日には5月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。また、FRBは11─12日の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのグローバル市場戦略責任者、ポール・クリストファー氏は「市場はある程度の明確化を望んでおり、FRBが利下げ開始を12月か1月まで待たなければならないとは考えていない」と述べ、借入コスト高が長期化すれば経済に悪影響を与える恐れがあると指摘した。
5月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想以上に増加したことを受け、先物市場では、9月の利下げの確率が約70%から約55%に低下した。
S&P500は過最高値を更新しているが、一部の投資家は、株価の上昇がエヌビディアなど一部の巨大テクノロジー株に集中していることを懸念している。
ネッド・デイビス・リサーチの米国担当チーフストラテジスト、エド・クリソルド氏は、米国株のバリュエーションは依然として歴史的水準をはるかに上回っていると指摘。S&P500の現在の株価収益率が長期平均と一致するには31%、過去20年の平均と一致するには19%、低下する必要があるとの見方を示している。
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