英国商工会議所(BCC)が公表した調査によると、今後3カ月以内に値上げを検討している企業の割合は4月の前回調査の46%から39%に低下した。写真はロンドンのイングランド銀行(英中央銀行)前で2月撮影(2024年 ロイター/Isabel Infantes)/>
[ロンドン 7日 ロイター] - 英国商工会議所(BCC)が公表した調査によると、今後3カ月以内に値上げを検討している企業の割合は4月の前回調査の46%から39%に低下した。
インフレの落ち着きを示す内容で、早ければ8月に利下げに踏み切ることを検討しているイングランド銀行(英中央銀行)は安堵しそうだ。
BCCの調査担当責任者、デービッド・バーリア氏は「企業のインフレ懸念は2021年を最後に後退している。今年後半の政策金利の引き下げは借り入れコストの低下に役立つだろう」と述べた。
消費者物価指数がこのところ中銀の目標である2%まで低下し、インフレ圧力も緩和したことから、投資家はイングランド銀が8月1日の会合で政策金利を5.25%から5.0%に下げる確率を50%強とみている。
今回の調査によると、英企業は2024年第2・四半期の売上高とキャッシュフローがパンデミック前の水準まで改善し、今後1年間の売上高増加を見込む割合は4月調査の56%から58%に上昇した。
ただ、回答企業の75%は依然として投資を増やしていない。業種によってばらつきがあり、増やすと回答した企業の割合は輸送・物流企業では42%だったのに対し、小売り企業では19%にとどまった。
英国で新たに発足した労働党政権のスターマー首相は、保守党政権下で14年間にわたって揺れた政治が安定する見通しとなったことで、企業の投資意欲が高まることを期待していると述べた。
BCCの調査は5月13日から6月10日にかけて4967社を対象に実施した。対象企業の91%は従業員数が250人未満。