(ブルームバーグ): 米投資運用会社オークツリー・キャピタル・マネジメントの共同創業者ハワード・マークス共同会長は、金利の重圧に苦しむ不動産やプライベートエクイティー(PE、未公開株)の高レバレッジ資産は、過去10年余りでめったにない機会をディストレスト投資家に約束していると認識を示した。
マークス共同会長は8日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「借り入れを用いてリターンを増幅させることが、これら二つの資産クラスの生命線になっており、結果的に非常に良い成績を残してきたが、これからはそこに痛みが生じるだろう」と語った。
リスクの高い企業、特にPE投資会社の支援を受ける借り手は、米連邦準備制度の一連の利上げに伴い、借り入れコストが急上昇した。不動産市場では、商業用不動産(CRE)の価値が下落する一方、借り入れの返済期限の波が到来しつつあり、貸し手が損失を被る展開が予想される。
ブルームバーグの集計データによると、米国の企業債務約1990億ドル(約32兆円)相当がディストレスト水準で取引されている。
マークス氏は「今後はレバレッジをやすやすと更新できなくなり、コストも高くなるだろう。それはこれまでにない良い機会をわれわれにもたらす」と述べた。