7月10日、 フィッチ・レーティングスのディレクター、クリスジャニス・クラスティンス氏はロイターとのインタビューに応じ、日本の物価・金利上昇は同国の信用力にプラスになる可能性があるとの認識を示した。都内の築地場外市場で6月撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)/>
Makiko Yamazaki
[東京 10日 ロイター] - フィッチ・レーティングスのディレクター、クリスジャニス・クラスティンス氏は10日、ロイターとのインタビューに応じ、日本の物価・金利上昇は同国の信用力にプラスになる可能性があるとの認識を示した。
財政への圧力は強まるが、インフレで債務負担が軽減され、生産性が向上する可能性があるとしている。
同氏は「金利とインフレ率の上昇は人々が考えているよりポジティブだ」と指摘。インフレ率の上昇で債務残高が実質的に目減りし、債務の対国内総生産(GDP)比率の低下に寄与するとの見方を示した。
また、労働者が収入アップを求めて転職する可能性や、企業が長期的な効率をこれまで以上に重視する可能性もあると予想。
「資本と人材が解放され、より生産的なことを行える。それがどの程度起きるかは分からないが、これは日本にとって潜在的に非常に大きなプラス効果をもたらし得る副次的影響の1つだ」と述べた。
債務の対GDP比率は近年改善しており、この比率が持続的に低下すれば「格上げ方向への動きにつながる可能性がある」とも発言。「具体的な基準値はなく、トレンドが重要だ。だが不可能でないことは明らかだ」と述べた。
財政健全化が依然として日本の課題だとも指摘。日本政府が来年度の基礎的財政収支の黒字化を目指していることについては、目標達成は予想していないが「この目標について過度に心配したことはない」と述べた。
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