ドイツ連邦銀行(中央銀行)は22日公表した月報で、大幅な賃金上昇によりユーロ圏のインフレ抑制が難しくなっていると指摘、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げには慎重なアプローチが必要だとの認識を示した。フランクフルトで2016年撮影。(2024年 ロイター/Kai Pfaffenbach/File Photo)/>
[フランクフルト 22日 ロイター] - ドイツ連邦銀行(中央銀行)は22日公表した月報で、大幅な賃金上昇によりユーロ圏のインフレ抑制が難しくなっていると指摘、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げには慎重なアプローチが必要だとの認識を示した。
堅調な労働市場と供給混乱のリスクが、ECBのインフレ目標2%の達成を阻む恐れがあるとし「経済を支えている要素の一部がインフレ目標の達成を難しくしている」と述べた。
「労働市場は依然として稼働率が高く、賃金の伸びは旺盛で、物価は特にサービス部門で大幅に上昇している。インフレリスクは供給サイドでも幅を利かせている」と分析。
サービスインフレは今後数カ月、小幅にしか低下しない可能性が高く、物価指数全体は現在の水準付近で変動する見通しという。
「このため、追加利下げの可能性については、現在のデータに照らして慎重に検討する必要がある」としている。
また、第2・四半期のドイツの経済成長ペースが予想よりやや緩やかになったとみられ、産業が近く回復するとの期待が後退したとの見方も示した。