7月30日、午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(154.01/04円)から上昇し154円後半で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年2月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)/>
Mariko Sakaguchi
[東京 30日 ロイター] -
午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(154.01/04円)から上昇し154円後半で取引されている。あすの日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に、ポジション調整の動きからドル買い/円売りが優勢となった。
ドルは朝方に153.62円付近まで下落した後、仲値公示にかけて国内輸入企業による買いが入ったとみられ、じり高で推移。買い一巡後は154円付近でもみ合いとなった。
午後に入り、ドルは再び強含んだ。円債市場で新発10年債利回りが0.995%付近と6月25日以来の水準まで低下したことを眺めて、円は対主要通貨で売り圧力が強まった。ドルは午後3時半過ぎには一時155.22円付近まで上昇した。
SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は「7月の日銀会合での追加利上げに対する懐疑的な見方から、海外勢による揺り戻しの動きが出ている可能性がある」とし、ドルが155円台を維持したままあすの日銀会合を迎えた場合、結果次第では円安が進みやすくなるとの見方を示す。
日銀金融政策決定会合では、国債買い入れの減額幅に加えて追加利上げの有無が焦点となっている。
日銀が追加利上げに踏み切り、今後の金融政策の道筋を市場が金融引き締めとして受け止めた場合、ドルは「200日移動平均線の151円半ば付近を下回る可能性がある」と、あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏はみる。
一方、利上げが見送られた場合は100日移動平均線がある155円半ば付近を超えて、157円付近まで上昇する可能性が指摘されている。ただ、年内の利上げ観測はくすぶり続ける可能性があるほか、「売り損ねていた国内輸出企業によるドル売りが出る可能性がある」(国内銀の為替セールス担当)との声が出ている。
米FOMCも注目材料。今会合では政策金利は据え置きのと見方が優勢で、次回9月の会合での利下げが示唆されるか焦点となっている。ただ、市場では年内2ー3回の利下げ織り込みが進んでいることから、「ドルはそこまで大きく動かないのではないか」(りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏)という。日銀の政策修正への思惑も残ることから「緩やかな円買い方向に向かっていくだろう」(同)とみられている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 154.66/154.67 1.0820/1.0821 167.35/167.37
午前9時現在 153.83/153.85 1.0818/1.0819 166.42/166.45
NY午後5時 154.01/154.04 1.0819/1.0823 166.66/166.69