(ブルームバーグ): 国際通貨基金(IMF)は、エチオピアの経済改革プログラムの一環として4年間で34億ドル(約5300億円)の融資を行うことに合意した。同国の債務再編に関する債権者との交渉開始に向けた重要な一歩となる。IMFの29日の発表によると、うち約10億ドルの即時供与が可能となる。
この資金は、エチオピアが債権者に対して、融資や贈与、債務再編として期待している約107億ドルの一部だ。IMFは声明で、このプログラムは「開発パートナーからの追加的な外部資金供与を促すとともに、現在進行中の債務再編が首尾よく完了するための枠組みを提供する」と指摘した。
エチオピアは対外債務が約284億ドルあり、2021年から債務再編に取り組んでいる。22年11月に終了した北部ティグレ州での2年間の内戦により、再編の進展は遅れ、23年12月にはユーロ債のデフォルト(債務不履行)に陥った。IMFのゲオルギエワ専務理事は声明で「エチオピアにとって画期的な瞬間だ」と述べた。
エチオピア国立銀行(中央銀行)は29日、同国通貨ブルを自由に取引できるようにすると発表し、IMFとの合意に向けた道筋をつけた。この措置は、3月にエジプトが通貨を40%近く下落させ、IMFから80億ドルの救済措置を受けるために取った対応と類似している。
エチオピア、自国通貨の自由な取引容認-IMF支援取得目指す
エチオピアの公的債権者委員会は今月、IMFからの新たな融資の迅速な承認を促すため、エチオピアへの資金保証を承認していた。
公的、商業、民間債権者間の協議を調整することを目的とした「共通枠組み」と呼ばれる20カ国・地域(G20)支援のメカニズムの下で債務再編交渉を行うのは、エチオピアが4番目。
IMFの支援プログラムを確保するための取り組みの一環として、同国はアビー首相の下で、国内銀行への外国からの投資の許可や資本市場の整備など経済開放を進めた。IMFのウェブサイトによると、エチオピアはこれまでに8回の支援を受けている。
IMFは、この新プログラムは「マクロ経済の不均衡に対処し、対外債務の持続可能性を回復し、より高く、包摂的な民間部門主導の成長の基盤を築く」と説明した。現行の財政プログラムの一環として、新興国経済で一般的かつ人気の高い燃料と肥料への補助金については、「時間をかけて徐々に廃止する必要がある」とした。