日経平均算出の定期見直しの基準日となった31日、ファーストリテイリング株式のウエート(構成比率)がキャップ(上限)の10%を上回った。東京都内で2022年12月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)/>
Noriyuki Hirata
[東京 31日 ロイター] - 日経平均算出の定期見直しの基準日となった31日、ファーストリテイリング株式のウエート(構成比率)がキャップ(上限)の10%を上回った。10月の定期見直し実施の前には、パッシブ連動資金によるリバランス売り圧力の高まりが見込まれる。
基準日に上限を上回るのは初めて。
この日のファーストリテ株の終値ウエートは10.45%となった。10%のキャップを上回ったことで、日経平均算出時に用いられる株価換算係数にキャップ調整比率0.9が設定され、指数に対するウエートは低下する。
これによって、定期見直し前の9月末には日経平均をベンチマークとするパッシブ連動資金のリバランス売りが見込まれ、その規模は約3300億円になりそうだと、フィリップ証券の増沢丈彦・株式部トレーディング・ヘッドは試算している。
ファーストリテイリングは「回答できる立場になく、コメントは控える」(広報)としている。
日経平均株価を管理する日本経済新聞社は一昨年10月の定期見直しの際、特定の銘柄の値動きに過度に影響を受けるのを避けるため、ウエートにキャップを導入した。12%から毎年1%ずつ水準を引き下げ、最終的な上限となる10%に今回引き下げた。
昨年7月と今年1月の基準日にかけても同社株のウエートがキャップを上回るリスクが浮上した経緯があった。売却の理由やウエート判定との関連は不明だが、基準日前の数日間には、大株主の柳井正会長兼社長が保有株をそれぞれ約600億円規模で売却していたことが明らかになっていた。結果としてウエートは抑え込まれ、キャップの超過は回避されていた。